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中国の烏龍茶は日本でよく知られ、高評のある中国茶の一種です。 このほかに、緑茶、紅茶、ジャスミン茶などがあります。これらの お茶は普段、飲み物として、飲用されますが、実は古くから漢方の 一種として、使われてきました。
中国古代の本草書(ほんぞうしょ)(漢方薬を記載する薬物専門書) 『神(しん)農本(のうほん)草(ぞう)経(きょう)』には漢方の神様― 神農様は百草を嘗め、効能効果を確かめる際、一日に七十二回、中 毒し、お茶で解毒したことを記載しています。お茶は優れた飲み物 でありながら、漢方薬でもあります。 一方、漢方薬でありながら、 お洒落な飲み物として、よく利用されるものもあります。 それは 菊花です。
しかし、菊の品種は大変多いのですが、漢方に使えるのは数種し かありません。一般的に、中国安徽省産の「貢(こう)菊花(きっか)」 と浙江省産の「杭(くい)菊花(きっか)」がよく使われます。 「貢菊花」と「杭菊花」をお茶として飲みますと、次の効果が期 待できます。眼精疲労の改善、眼病の予防など、目のトラブル全般 に作用します。これは漢方では「明目」と呼ばれ、目のかすみ、視 力の低下、疲れ目、目の充血、目の乾き、目のかゆみなどに効果を 発揮します。
菊花にはビタミンAが多く含まれるので、パソコン作業で目を酷 使している人は、日ごろに菊花茶を積極的に摂るようにするとよい でしょう。その他、鎮痛、解熱、解毒作用、風邪初期の治療、高血 圧症の頭痛、目眩の軽減、慢性咽喉炎の腫れ、痛い症状の軽減など にも効果があります。 飲み方は極簡単です。透明なガラスコップ 或いは急須にお湯300mLに対し、「貢菊花」または「杭菊花」6~ 10個ぐらいを用いますが、多く使っても構いません。または、
一般 のお茶を入れる時に、「貢菊花」或いは「杭菊花」を加えても良い と思います。
ところで、目の疲れ、乾き、目眩などは中国漢方理論では、肝と 腎の不具合によるもので、肝と腎を補ったら、目はより健康になり ます。漢方の菊花は肝を良くする効果がありますが、腎を良くする 力は足りませんので、そこで、菊花茶に枸杞子(くこし)(枸杞の実) 10粒ぐらいを加えると、肝と腎を同時に良くすることができます。 白い菊花に赤い枸杞子を加えると、目を良くし、また、見た目も綺 麗でとてもお洒落な飲み物になります。