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蓮(ハス)の話

(ハス)は中国やインドなどでは神聖な花として扱われる植物です。その根茎のレンコンは日本で馴染み深い食品のひとつであり、長い食用の歴史を持っています。中国漢方では、蓮の各部位はそれぞれの効
果があるため、区別して利用しています。今回は蓮の各部位の概要を紹介し、次回から各部位の効果及び利用法を説明します。

蓮はスイレン科ハス属の植物で、学名はNelumbo nucifera GAERTNです。 その地下の根茎はレンコンです。生で食用すると、肺を潤わせ、血行を良くするなどの効果があります。熟して食用すれば、食欲増進、滋養強壮の効果が期待できます。蓮の葉は中国漢方では荷葉(カヨウ)と称し、古くから安全な痩せ薬として、利用されています。

また、高脂血症などにも効果があります。蓮の果実は蓮実(レンジツ)と言い、皮を剥いてから更に果実中心にある胚を抜き取ったものは蓮肉(レンニク)と呼ばれ、鎮静作用、強壮滋養などの作用を有します。蓮実の中心から抜き取った胚は蓮芯(レンシン)と呼ばれ、強心作用、血圧を下がるなどの効果があります。同じ植物でありながら、各部位に蓄積された有効成分が違い、薬理効果も異なり、区別して利用すべきなのです。

 

(ハス)の根茎の蓮根(レンコン)は中国、日本などで馴染み深い食品のひとつです。中国漢方では熟したレンコンは「調中開胃、益血補髄、安神健脳」とされます。言い換えれば、胃腸をよくして、食欲の促進、血行の 促進、睡眠をよくし、老化を遅らせる効果があります。生のレンコンは「清熱潤肺、涼血行?」とされ、体に潤いをもたらし、?血を取り除く効果があります。 夏場は生のレンコンをミキサで汁にして、そのまま飲めま す。

また、レンコン汁は蜂蜜、生姜汁、ブドウ、梨の果汁などと混合してから飲むと、夏の清涼健康飲料になります。 レンコンから得られた澱粉はお湯に溶かすと、美味しいお菓子になります。 レンコンの節も立派な漢 方薬です。それを煎じて、飲むと、痔の出血を治療する効果があります。 近代の薬理研究ではレンコンに含まれる食物線維がコレステロール、グリセリンエステルと結合して、便と共に排出させる効果が認められ、脂質の吸収を抑制してくれます。つまり動脈硬化や高血圧予防効果が期待 できます。

また、レンコンにはタンニン酸が多く含まれており、止血の働きがあり ます。 レンコンを切った時に糸が引きます。これは納豆やオクラ、里芋 などに含まれる糖タンパク質ムチンによるものです。胃壁を保護し、タン パク質や脂肪の消化を促進します。 他には、レンコンに鉄分、カルシウ ム並びに微量元素、タンパク質、ビタミンなどを豊富に有し、高い栄養価 値を持っています。 レンコンはお年寄り、女性、子供の健康維持に大い に貢献できるというわけです。